農地を転用する際、「届出」と「許可申請」のどちらが必要かは、土地の所在地や利用目的により異なります。両者は手続きの煩雑さが大きく異なり、特に許可申請には多くの確認事項や準備が求められます。本記事では、それぞれの手続きについて詳しく解説します。
市街化区域内の農地を転用する場合は、農地法第4条または第5条に基づく届出のみで手続きが完了します。
•市街化区域(都市計画法による区分)に指定されている地域
市街化区域内では、農地転用が計画的な都市開発の一環として認められているため、届出のみで対応可能です。
•市区町村で転用する農地が市街化区域内にあるかを確認します。
•届出書
•公図、登記簿謄本
•転用後の利用計画書または用途がわかる資料
•管轄の市町村役場または農業委員会へ提出します。
•届出後、特に問題がなければ1~2週間で受理通知が発行されます。
•確認不足によるトラブル
届出が適用されるのは市街化区域内の農地に限られます。区域外で届出のみを行うと、違法転用となる可能性があります。
•登記変更の手続き
転用後は地目変更登記が必要です。
•手続きが比較的簡単で、短期間で完了する。
•必要書類の点数が少なく、農業委員会や役場での確認もスムーズ。
市街化調整区域や農用地区域内の農地を転用する場合は、農地法第4条または第5条に基づく許可申請が必要です。
•市街化調整区域
•農用地区域内農地(青地)
市街化調整区域や農用地区域では、農地の保全が優先されるため、転用が制限されており、厳格な審査が求められます。
転用計画を農業委員会や自治体に相談し、許可取得の可能性を確認します。
•申請書
•位置図、公図
•登記簿謄本
•転用後の設計図や利用計画書
•隣地所有者の同意書(必要な場合)
•土地利用計画図(自治体指定様式)
•その他、地域ごとに指定される書類
•申請書類を管轄の農業委員会または都道府県知事へ提出します。
•農地の現状、転用の必要性、周辺環境への影響を審査。
•必要に応じて現地調査が行われます。
•許可が下りるまで1~2か月程度。複雑な案件ではさらに時間がかかる場合があります。
•許可要件を満たさない場合、却下の可能性がある
•転用が周辺農地に影響を与える場合や、都市計画に適合しない場合、許可が下りないことがあります。
•許可後も条件が課される場合がある
•転用後の利用方法や工事開始時期について制限が課される場合があります。
•手続きが煩雑
•必要書類が多く、申請内容の不備があると審査が長引くことがあります。
•手続きが非常に煩雑で、専門的な知識が必要。
•許可が下りるまでに時間がかかり、追加書類の提出や調整が必要になることが多い。
•現地調査が行われるため、時間的・労力的コストが高い。
項目 | 届出 | 許可申請 |
---|---|---|
対象地域 | 市街化区域 | 市街化調整区域、農業地区域 |
手続き難易度 | 簡単 | 煩雑 |
必要書類 | 少ない | 多い |
所要時間 | 1ヶ月程度 |
1年程度 |
審査内容 | 書類確認 | 現地調査および計画の適合性審査 |
農地転用の手続きには、「届出」と「許可申請」で大きな違いがあります。市街化区域内では届出のみで簡単に手続きが進む一方、市街化調整区域や農用地区域では、許可申請に時間と手間がかかります。
農地転用をスムーズに進めるためには、専門家のサポートが不可欠です。煩雑な手続きや書類作成を安心して任せたい方は、ぜひ行政書士 亀田直樹事務所にご相談ください!